どういった診療科なのか

どういった診療科なのか

思春期の子どもたちが抱える心や体の悩み、問題に対応する思春期外来について詳しく説明します。

思春期外来とは?

思春期外来とは?

思春期外来では、6歳~18歳までの子どもや若者を対象に必要な治療を行っています。この年齢層は大人に比べて学校や家庭といった限られた環境で過ごす時間が多く、閉じたコミュニティの中で生活しています。特定の場所や人間関係に適応できないと逃げ場を失い、大きなストレスを抱えることになります。その結果、適応障害やその他の精神的・発達的な問題につながるケースも少なくありません。
「学校に行けなくなる」「登校前に体調を崩す」「部屋に引きこもる」「情緒が不安定になる」といった変化が見られる場合は、心の不調が背景にあると考えたほうがいいでしょう。また、不安感や集中力の欠如、ゲームへの過度な没頭、不眠、友人関係や家族関係の悪化、さらには家庭内での暴力や自傷行為なども、思春期特有の悩みとして現れることがあります。こうした症状には発達障害や摂食障害、社会不安障害などが関係しているケースもあるため、より柔軟な支援が必要です。

若年期の精神疾患は早期に対応することが大切

若年期の精神疾患は早期に対応することが大切

膵臓がうまく働かなければ糖尿病に、心臓が機能を失えば心不全や心筋梗塞に至るように、脳が機能不全に陥ると精神疾患として現れることがあります。ただし、内臓の病気は中年以降に増加する傾向があるのに対し、精神疾患は10代の若年期から急増し始めます。これは他の身体疾患とは異なる特徴であり、看護師としても意識しておくべき重要な点です。
思春期は対人関係の葛藤や進路への不安、家庭内の緊張感など、あらゆる悩みが交錯する繊細な時期ですが、こうした悩みのすべてを「思春期特有のもの」と片付けてはいけません。その中には脳の働きに起因する機能不全が隠れている場合もあるからです。親や周囲の大人から「思春期だから仕方ない」と片づけられてしまうと必要な支援が遅れてしまいます。できるだけ早くその兆しに気づき、適切な治療やサポートを行うことが病気の進行を防ぎ、早い回復につながるので、隠れているものがないか、注意深く観察するようにしてください。治療に時間がかかることもありますが、あきらめずに丁寧に関わることで、徐々に症状が落ち着いてくるケースも少なくありません。
子どもや保護者に寄り添いながらも、早期に適切な支援につなげられるように意識して接することが大切です。「看護師=気軽に相談できる存在」として認められるように、信頼関係を積み重ねていきましょう。