思春期の始まりに見られる性差

女子はおおよそ8歳半~10歳、男子は10歳~14歳の頃に思春期を迎える傾向がありますが、女子の方がやや早く成熟するため思春期が終わるのも早く、反抗的な言動や心身の不安定さも比較的早く落ち着きます。
ただし、これはあくまで平均的な目安であり、個人差があります。「思春期は小学生から中学生の時期にかけて始まるもの」と捉えておくといいでしょう。
態度や行動の変化

思春期には心や体にさまざまな変化が生じ、それが行動や言動にも表れるようになります。特に男子は暴言や突発的な怒りといった、攻撃的な言動が見られることがあります。自分の思い通りにならないことに対して強くイライラし、周囲にあたってしまうケースも少なくありません。
一方、女子の場合は父親に対して冷たい態度をとるようになったり、口ごたえや屁理屈が増えたりする傾向が見られます。「最近よく口答えするようになった」と感じるなら、それは思春期による変化の1つかもしれません。
男女に共通する特徴

男女ともに思春期は心身のバランスが崩れやすく、不安定な状態になりがちです。言動にも変化が現れるので、戸惑うことも多いでしょう。しかし、実は子ども自身も同様に、自分の変化に戸惑っています。
男女問わずイライラしやすくなり、些細なきっかけで感情が爆発して突然不機嫌になることがあります。親からすると怒っている原因がわからず、対応に悩むこともあるかもしれませんが、子ども自身もその理由はわかっていません。気持ちが不安定になり、自分でも説明がつかない怒りや不快感に苦しみ、それがまた新たなストレスとなっているのです。
男子に見られる特徴

男子は小学校3年生や4年生あたりから反抗期が始まります。「うるさい」「お前」など行儀の悪い言葉や攻撃的な言葉を使ったり、壁を蹴ったりといった行動が見られるようになります。また、部屋に閉じこもりがちになり、家族とのコミュニケーションを極端に避けることもあります。
女子に見られる特徴

女子は言語的な発達が早いためか、口答えや屁理屈が増えます。「お母さんだってこの前そうしていたじゃない」などのように、過去の出来事を引き合いに出したり、「疲れた」「だるい」など面倒くさそうな態度をとったりすることが多くなります。
さらに、思春期の女子は父親に対して冷たい態度になり、距離をとろうとします。中には父親の存在自体を「嫌なもの」と感じて避ける子もいます。